禅日記 29 近くのお寺で座禅体験③ 「棒で叩かれるやつ」

境内2周ツアーから戻ってきたあと

再び座禅が始りました

一体この体験会はいつまで続くんだろう?

普通なら1時間程度だと思っていたが

既に1時間以上経っている気がする(時計がないのでわからない)

4歳の娘もそろそろ耐えられなく騒ぎ始めそう

先が見えない状況にドキドキしていた

 

すると坊さんが立ち上がった

手には木の棒を持っている!

あれだ!「喝っ!」といって雑念まみれの奴を叩くのだ

警策(きょうさく)というらしいですね

 

前に行ったお寺では叩かれなかったので楽しみです

しかも今回は向い合って座っているので

正面の人たちの様子がわかります

 

まずは正面の人たちの方へ歩いて行きました

どうやって雑念がある人を見抜くのだろう?

動いたらダメなのだろうか?

「気」みたいなものが伝わるのだろうか?

これは見ものだ! こういう感情はバレてるのだろうか?

私自身が雑念の塊ですw

 

ところが坊さんは1人ずつ全員を叩いています

人の前に立つと その人は手を合わせて一礼します

そして両腕をクロスして胸につけ 上体を前傾させます。

そして坊さんが右と左と1発ずつ 肩から背中にかけた部分を叩きます

まるで自ら叩かれることを望んでいるような感じです

向正面の20名ほどがもれなく全員叩かれました

 

そして次はこちらのサイドへ歩いてきます

娘が「怖い」と怯えていました

子供はどうするんだろう? すっかり忘れていました

流石に叩かないだろうと思い 「大丈夫だよ 集中していれば」と言いました

 

そして先に娘の番

ぎゅっときつく目をつぶって恐怖と戦っている可愛い娘を

坊さんはスッと通り過ぎました

私は軽く感謝の一礼をして(それが適切だったかも分かりませんが)

自分の番になり みんなの見よう見真似で前傾姿勢をとりました

そして2発 「喝」を喰らいました

 

叩かれた場所は肩甲骨の辺りでした

意外と凄い衝撃がきて驚きましたが

同時に気持ち良さを得ました そして気づきました

「これはマッサージ効果だ」と

 

説明します

禅日記4「背中が痛い」でも書きましたが

私は極度の猫背のため 座禅で姿勢を正していると

背中が痛くなってきます 丁度 肩甲骨の辺りです

 

 家でひとり座禅の時は 耐えきれなくて

ヨガやストレッチに移行しますが

お寺の座禅会ではさすがにそれは出来ません

当然この日も背中が痛かったのです

(場の緊張感と初めて見る光景に神経を使っていたので 我慢はできていましたが)

 

 そこへきてこの警策です

丁度 痛い肩甲骨のあたりに 左右均等に叩いてくれます

ちょっとしたマッサージ効果で 背中の痛みが和らいだのです

これでまた座禅に集中できます

 

つまり警策とは 

座禅に集中できていない修行僧に入れる「喝」ではなく

 背中が痛くてたまらない修行僧への 緩和のための愛のムチだったのです

 

素晴らしい実体験ができました

 

そして最後にまたお経をお唱えて座禅は終了しました

後から計算すると1時間半くらい経っていました

 

そして坊さんの説経が始まります

そこでも事件が起きました

 

つづく