禅日記 17 「お寺に行ってきた④」

坐禅も終わり 茶話会なるものが始まりました

8人ひざを寄せ合い お茶とお菓子を食べながら

お坊さんのありがたいお言葉を聞く会です

 

参加者は

65歳くらいの女性3人と男性1人

私と同年代の40歳くらいの男性2人と小学校1年生の娘さん

それと私の計8人です

 

どんな話をしてくれるのかと思ったら

「最近 花粉症はどうかね」

「腰が痛い」

「お嬢ちゃんはどこの小学校だい?」

みたいな世間話が始まりました。

(おやおやおや ありがたい話はどこへ行った?)

 

すると坊さんが突然私にむかって

「あなた見たことあるね?」 と聞いてきました

(はて?以前この寺に来たことがあるかってことか?)

と質問の意味を考えていると

坐禅やってるね」 と言ってきました

(あーそういうことね)

「いえ 家で自己流でちょこっとやってるくらいです」

「そうかね いい姿勢をしているね」

 

なんと猫背の私が初めて姿勢を褒められました!!

65歳くらいのおばさんたちも

「へぇ 凄い! 一度見せていただきたいわ」 なんて言ってきて

ちょっとしたヒーロー扱いするもんだから嬉しくなっちゃって

「いやいやいや」 なんて謙遜するふりをしてました

 

と同時に

「待てよ? 坐禅の道を極めるのに終わりはないはず」

「ここで褒められて調子に乗っているようじゃだめだ」

「むしろこれは試されているに違いない!」

「初参加の人にはとりあえず褒めて その反応を見てるんだ」

「きっとみんなここで調子に乗るんだ」

「それからガツーンとありがたい説法を食らうのだな」

と瞬時に悟った私は

(いえいえ まだまだ修行の身ですから)

これが正解だ! と思って答えようとしました

 

するとその一瞬先にお坊さんが

「そういう時はね 『見せるほどのものではありません』というのだよ」

(そして一同笑い)

一本取られた!

確かにこの回答はうまい!

自慢も謙遜もしておらず

なによりそもそも坐禅の姿など人に見せるものではない

一緒に背中合わせで坐禅してるんだから見せようがない

これらを全部含んだユーモアのある回答だ

 

ちょっと褒められたもんだから

そっちに意識が行っちゃって

つまらない回答をするところでした

 

結局ありがたい説法はありませんでしたが

この問答が勉強になりました

 

まだまだ修行は続きます